草月流いけばなでは、師範になるまでは「草月のいけばな」というテキストを使用して、自分のペースで基本型から花を表現する方法を広げていきます。
課題、花材、自分自身の表現力。
先生の指導も加わることでその日のテーマが予想以上に表現できる日もあれば、時間ばかりがたってなかなか表現できない日、表現したい形があるのに花材をうまく扱えない日など様々なのですが、どのようなお稽古でも、ふとした時に自分が花と会話をしていることに気付きます。
仕事も人間関係の悩みも頭から消えて、ただ目の前の美しい花と向き合う時間です。
習い始めた頃は、周りが気になることもありましたが、他の生徒さんも自分の作品をいけるのに没頭しています。
そして先生は、基本的に私から声をかけるまで気配を消して急かすこともありません。ごくたまに、それも本当にちょうど良いタイミングで声をかけてくれることがあるくらいで、ほぼ1人の時間です。
いけばなを習うことが目的だったはずが、お稽古に通うにつれ、その花と向き合う時間がとても居心地の良いものに変わっていきました。
いけばなの良さって何ですか、と問われたら答えは無数にあると思いますが、私はこの「花と向き合える時間」と答えます。
それは、自然に咲いている花を眺めたり、きれいな花束をもらって感動する気持ちとはまた違う良さです。
そして、それは、きっといけばなをした人にしかわからない感覚だろうな、と。
いけばなはいけた人のもの
草月流の教えが自分の感じていることと同じかどうかはわかりませんが、ほんのわずかな花と向き合える時間が私の生きる原動力になっています。
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